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またひとつ消えていく名建築



現在取り組んでいる世田谷の住宅設計のお仕事で世田谷区役所へ行ってきました。


世田谷区役所と言えば、日本が誇るモダニズム建築の巨匠、前川國男の設計した名建築です。

という事で、打ち合わせ前にみっちり見学してきました。

コンクリートで造形された大きな窓の無い外壁が大迫力です。シャープに跳ね出した大屋根やバランスよく配置されたバルコニーが横への広がりを強調しながらも美しく全体のバランスを保っています。室内に入ると存在感のある階段が目に入り自然んと目線が上へと、、低い天井から見上げる計算された空間の広がりや上階からもれる自然光が本当に気持ちいいです。どっしりとした手すりのデザインが大好きです。フォルムやディテールに目をやりながらため息がでます。現在の姿を普通に見るとボロい建物かもしれませんが、時代とともに建物に対する愛が薄れていき、ありえない物が置いてあったり悲しく改造されていたり、と完全に良い空間を台無しにしています。、、もっと大事にできなかったのだろうかと思いながら壁や手すりに触れながら建て替え計画で解体を待つ切なさや悲しさを感じました。世田谷区役所の象徴となっている大きなコンクリートの壁を持つホール部分は残される様ですが、第一庁舎、第二庁舎、区民館のホワイエなど素敵な空間は全て消えてしまいます。新たな計画を拝見しましがた、、正直、残念な感じでした。、、どこが良いのか疑問、、

とりあえず、「名建築で昼食を」とはいきませんが、、この素晴らしい名建築を眺めながらいっぷく、セブンイレブンのアイスコーヒーを片手にちょろちょろと流れる池の水音を聴きながらベンチに腰をおろし名建築の佇まいに見惚れながら良い時間を過ごしました。


そして、、また来ます。


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