はちゃめちゃのかくれんぼ
ついに隠されていた秘密があらわになった。そんな気分の解体後です。
古民家などの仕事ではよくある事だが、計画当初より既存図が無いという事で大変苦労した。
老舗のお店であった建物ではちょっと珍しい事の様にも思えるが、、、
だって、こんなにしっかり造りこんでいるのに図面無しで造れるわけが無い。
大工さんが適当に作ったとも考えにくい。施主の拘りがあちらこちらにあった。
そんな厄介者の、なんだか金持ちのバカ息子を預かった気分でこの建物に向き合い悩み考えた。
結果ほとんど壊すことになったことは、ここまで造り上げた大工さんに頭をさげたい。
しかし、なんだこのザマは、、、古い木造建築であったとしても構造的概念のもと建物の健全性を
保つべきであるし、そんないい加減な造りでは困ってしまう。
新旧入り乱れる意味不明な土台やはちゃめちゃな造り、、、なんだか凄すぎる。
筋交いも全く無い、ましては土壁を剥がし出てきた重要な柱は半分削り落とされ不安大盛りである。
壊すことを躊躇していたが、今は良かったとさえ思う。
もちろん増築改築を繰り返してきたこの既存不適格なバカ息子であっても、完璧では無いが構造的な補強を
加え、まだこれから大きな役目を果たさなくてはならない。
唯一の嬉しい事は、、木造建築でしか味わえないこの素晴らしい佇まい、、芸術的な空間。
新築では手に入らない貴重なこの空間を大事にしながら、これから施工会社様と共に造り上げます。